Virtual Walking with Omnidirectional Movies and Foot Vibrations

論⽂概要

歩行は、人の心身の健康を増進させることが期待できる。しかし、身体的な障害やCOVID-19の影響などによって、外を歩くことが困難な社会状況もある。そこで,360度動画とシーンに合わせた足裏への振動を利用した,座っている人のためのバーチャル歩行システムを開発した。足裏振動のタイミングは360度動画(全天周動画)から自動的に計算して生成した。一方、シーンに合わせた足裏振動パタンは事前に用意した。
 
 

特筆すべき研究成果

足裏へのリズミカルな振動は,シーンと振動の調和性・整合性に関わらず,バーチャル歩行の感覚を改善した。さらに,室内の廊下や雪の地面のシーンでは、調和した振動が不調和の振動よりも歩行関連の感覚やテレプレゼンスを向上させた。また,地面の質感は、シーンと振動が調和していると強調され,逆にシーンと振動が調和していないと混乱して知覚された。
 

今後の展望・応⽤+社会実装の可能性

開発されたシステムを発展させると,様々な360度動画をリアルなバーチャル歩行に変換し,世界のいろいろな場所でのバーチャル旅行を提供することができる。また,身体的な制約や社会的な制約で外を歩けない人や状況でも,メンタルヘルスの増進に貢献することが期待できる。
 

主要成果論⽂

Nakamura, J., Matsuda, Y., Amemiya, T., Ikei, Y., and Kitazaki, M.
IEEE Access
10.1109/ACCESS.2021.3136557