拡張⾝体部位に対する⾃⼰⾝体所有感の⾏動指標を⽤いた評価

論⽂概要

⼿指を模したロボットの指をヒト被験者の⼿掌に装着し,その⼈⼯指が⾃⼰の⾝体として認知されるか調査した.被験者は前腕筋電位によって他の⼿指と独⽴に⼈⼯指を制御し⼿指を動かす課題を⾏った.この課題前後で⼿指の⾝体認知に関する計測を実施したところ,個⼈差はあるものの⼈⼯指が⾃⼰⾝体として認知され得ることが⽰唆された.

特筆すべき研究成果

⼈⼯指の⾝体所有感に関する質問紙スコアと⼿指の位置知覚の曖昧さに関する⾏動スコアが被験者間で正相関することが分かった.すなわち,⼈⼯指に所有感を強く感じた被験者ほど⼿指の位置を曖昧に知覚していた.

今後の展望・応⽤+社会実装の可能性

本研究では⼈⼯指に対する⾝体認知を⾏動レベルで調査したが,今後は機能的磁気共鳴画像法(fMRI)によって脳内における⼈⼯指の⾝体表現の調査を検討している.⼈⼯指を⽤いて⾝体拡張の神経メカニズムを明らかにすることで,⾝体拡張の理論構築,更には拡張⾝体デバイスの設計にも貢献することが期待される.

主要成果論⽂

梅沢昂平, 鈴⽊悠汰, Gowrishankar Ganesh, 宮脇陽⼀ 第11回多感覚研究会, 2019年12⽉