Comparison of Operating Method of Extra Limbs in Dual Tasks: Point and Path Instruction

論文概要

拡張身体を自分の身体(両腕)と同時に操作する手法について検討した。操作には、マスタースレーブ方式のような連続的な入力を伴う経路指示と、必要な通過点の座標の指令のみを行いその間の経路を自動的に補完する点指示の2種類が考えられる。二つのタスク1・2 について、各指示手法を用いてこれらを順次行う単一課題条件と同時に行う二重課題条件において、作業効率を比較するユーザスタディを行った。
 

特筆すべき研究成果

二つのタスク難易度において、点指示はいずれも二重課題条件で単一課題条件よりも作業時間を短縮するが、経路指示は簡単なタスクにおいてのみこれを短縮するという、各指示手法の特性を明らかにした。これらの結果から点指示の優位性を示唆するとともに、二重課題下でユーザの注意を間欠的に切り替えさせる手法の有効性を示唆した。
 

今後の展望・応用+社会実装の可能性

点指示では、例えばユーザがタスクAを両腕で行いながら断続的にタスクBへの指示を出すという間欠的な注意の移動・配分が必要となる。今後、この点指示(間欠的指示)の頻度、継続時間等を変化させ、効率的な二重課題の遂行に有効な注意分配の設計について検討を行う。また、これによって、人間の指示を介入させられる量と自動的に作業を補完すべき量を明らかにすることは、従来では環境の複雑性ゆえに作業の自動化が困難であった日常生活環境において、「随意的な指示」と「作業パフォーマンスの向上」を両立したシステムの設計へ貢献する。
 
 
Yukiko Iwasaki; Shota Takahashi; Hiroyasu Iwata
2022 IEEE/SICE International Symposium on System Integration (SII), pp. 171-176, 9-12 Jan. 2022
DOI: 10.1109/SII52469.2022.9708822