皮質体性感覚野の身体表現理解を促すFace Homunculus Viewer
論⽂概要
⼈間の⼀次体性感覚野には体部位再現性があり、触覚空間解像度の⾼い部位ほど⽪質に占める領域が⼤きくなる(⽪質ホムンクルス)。本研究では、測定した唇、額の触⼆点識別閾を使⽤して、顔の画像をホムンクルス顔に変形できるソフトウェアFace Homunculus Viewer を開発しワークショップを⾏った。⾃⾝の顔のホムンクルスを作成することで、⼈間の脳における体性感覚知覚メカニズムについて、実感をともなった理解を促進する。
特筆すべき研究成果
⽪質体性感覚野の脳内⾝体表現理解を促すためのソフトウェアFace Homunculus Viewer(FHV)を開発した。そして、体験学習型ワークショップでは、知覚現象である触⼆点識別閾の測定実験を通して、知覚と脳との関係などを科学的に検証し、FHVを⽤いてその意味を実感し、現象について考察することを促した。その結果、知覚と脳の関係を⾃分事として理解し、楽しく主体性を持って学習することに貢献したと考えられる。
今後の展望・応⽤+社会実装の可能性
本研究で開発したメディア教材Face Homunculus Viewer(FHV)と、FHV を⽤いたワークショップ進⾏例、授業スライド、ワークシートなどの配布資料はパッケージ化され、申請すればWebからダウンロードできる。全国の⼩中学校や科学館向けのワークショップツールとして貸出も⾏われている。今後も知覚・認知に関わる現象を素材とした体験型教材の開発やワークショップを展開していく予定である。
主要成果論⽂
上⽥祥代, 吉⽥成朗, 渡邊淳司, 池⽥まさみ, 茅原拓朗, 北崎充晃 ⽇本バーチャルリアリティ学会論⽂誌, 24(1), 3-12, 2019-03 DOI: https://doi.org/10.18974/tvrsj.24.1_3.