Perceptual simultaneity and its modulation during EMG-triggered motion induction with electrical muscle stimulatio

論⽂概要

⼈間の⾏動に合わせてその動きを⽀援するシステムの設計において⼗分に検討されていない、⼈間側の知覚と機械側からの⽀援のタイミングの問題に着⽬し、筋電気刺激を使った実験を⾏った。具体的には、⾝体運動の開始から機械が運動を⽀援するまでの時間差を計測することで、機械が適切に介⼊できる時間範囲を求め、⼈間の意図と機械の動作のずれを防ぐ上で、知覚が順応する現象の応⽤が可能であることを明らかにした。
 
 

特筆すべき研究成果

⼈間の意図と機械の動作のずれを防⽌するため、⼈間の⾃発的意図に基づく随意運動のタイミングに合わせて機械から筋電気刺激を与え、機械が⼈間の運動を増幅させる実験系を構築した。実験ではまず、⾃発的運動の開始から機械による介⼊までの時間差が知覚的に同時だと感じられる時間範囲を同定し、機械による適切な介⼊のタイミングを求め、次に、事前の刺激系列によって、タイミング知覚が順応することを実験的に明らかにした。

今後の展望・応⽤+社会実装の可能性

今後は、⼈間が機械の⽀援を予測し機械と協調し続けることで知覚がどのように変容するかについて、より深く探求する。⼈間と機械の両⾯から研究を進めることで、外部から運動を与えて操作・補助を⾏う場合の⼈間の認知メカニズムの解明や、利⽤者の運動を妨害しない安全な⼈間機械協調システムへの応⽤など、幅広い展開を⽬指す。

主要成果論⽂

Seito Matsubara, Sohei Wakisaka, Kazuma Aoyama, Atsushi Hiyama, Masahiko Inami. PLoS ONE 15(8): e0236497, 2020. DOI: https://doi.org/10.1371/journal.pone.0236497.