The Reference Frame of Robotic Limbs Contributes to the Sense of Embodiment and Motor Control Process

論⽂概要

人間と共同作業を行うウェアラブルロボットアームの先端座標として参照する座標系(参照系)がユーザの身体所有感,行為主体感および運動制御にあたえる影響を検証する.本研究では,先行研究で多数引用されている参照系として,1) ユーザ身体外の固定座標(空間系),2) ユーザ胴体(胴体系),3) ユーザ頭部(頭部系),をそれぞれ設定し,ユーザの足にリマッピングしたバーチャルロボットアームによるユーザスタディを行った.
 
 

特筆すべき研究成果

本研究では,ロボットアームによるタスク時間,動作の直進性,躍度(加速度の2回微分)を計測し,ユーザがロボットアームを自身の身体として制御しているかを定量的に評価した.そして,ユーザ身体と胴体系に従うロボットアーム間の静的な距離関係と直感的な操作がロボットアームの操作学習に貢献したことが示唆された.また,主観的な身体所有感についても胴体系に従うロボットアームが他の参照系よりも有意に高い強度を示した
 

今後の展望・応⽤+社会実装の可能性

本研究の結果を社会実装するためには,各参照系と身体化プロセスの因果関係を解明する必要がある.本研究では,実験参加者が頭部系に従うロボットアームを自身の頭部として感じていることが示唆された.従って,参照系や入力モダリティとなる身体部位によって身体所有感の帰属が決定される可能性がある.今後は,身体所有感を始めとする身体化感覚の帰属メカニズムについて追加調査を行う.
 

主要成果論⽂

Kuniharu Sakurada, Ryota Kondo, Fumihiko Nakamura, Masaaki Fukuoka, Michiteru Kitazaki and Maki Sugimoto
Proceedings of Augmented Humans 2022, pp. 104-115, 2022.3