Scrambled body differentiates body part ownership from the full body illusion
論⽂概要
VR 空間でのスクランブル⾝体刺激を⽤いて全⾝所有感と⾝体部位所有感の違いを明らかにした。スクランブル⾝体刺激とは,観察者の⼿と⾜のみを提⽰し,それらの空間的配置をランダムにしたものである。全⾝を動かしながらスクランブル⾝体刺激を観察すると⼿と⾜に対する⾝体部位所有感は⽣じるが,全⾝所有感は⽣起しなかった。この結果は,全⾝所有感の錯覚には空間的配置が重要であることを⽰唆する。
特筆すべき研究成果
⾝体部位の空間的配置が適切であることが全⾝所有感に必要だが,⾝体部位所有感には必ずしも必要ではないことが⽰唆された。したがって,⼈の⾝体性⾃⼰意識は通常の⾝体部位の空間的配置に制約されている可能性がある。
本研究はScientific Reports Editor's choice: virtual realityに採択されました。
今後の展望・応⽤+社会実装の可能性
スクランブル⾝体刺激は,全⾝所有感と⾝体部位所有感について体系的に調べる⽅法となり得る。そして,全⾝所有感の錯覚の限界,つまり⼈は全⾝所有感を保持しながらどこまで⾃らの⾝体図式を変えることが可能かを調べることに貢献する。
主要成果論⽂
Ryota Kondo, Yamato Tani, Maki Sugimoto, Masahiko Inami & Michiteru Kitazaki Scientific Reports, 10 DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-020-62121-9.