Detachable Body

論⽂概要

離れた⼆地点における作業の同時進⾏(例:台所で料理をしながら屋外へごみ捨てに⾏く)により⽇常作業の利便化・効率化を実現するために、着脱が可能な拡張⾝体ロボット“Detachable Body”を提案する。本論では⼆地点の作業環境情報と⾝体状態情報をユーザへ同時提⽰するインタフェースシステムを開発し、同時作業時の各タスクへの注意の移動性・分配性からユーザビリティを評価した。
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特筆すべき研究成果

“⾝体を切り離す”という機械⾝体ゆえの発想の下、実環境の作業⽀援ロボットとしての拡張⾝体アプリケーションに新たなコンセプトデザインを提供した。また、⼆地点に存在する⽣⾝の⾝体と機械⾝体の同時管理という課題に対する⼀つの解を情報提⽰インタフェースのプロトタイプ開発という形で提供し、ユーザの注意分配の観点からその有⽤性を明らかにした。前述のMetaArms が「⼿腕を⾜脚で動作させる」などの⾝体部位操作のボディリマッピングに関する基礎的アプローチに対し、本研究は、物理的には⾝体から切り離された⾝体パーツとのマルチタスクを可能とするものである。単に機械の⾝体部位を装着するのみならず、⾃在に制御を⾏うための基礎的知⾒を⽣み出した点において⾮常に重要な成果である。

今後の展望・応⽤+社会実装の可能性

現在インタフェースのプロトタイプは⼆地点・⼆⾝体の情報管理にのみ対応しているが、社会実装に向けてこれを複数地点における複数⾝体の管理に対応させ、物理的制約を取り払った⽇常⽣活の新しいワークスタイルの探求と実現を⽬指す。また、存在空間が動的に変化するロボットを⾝体として認識するための設計要素について分析することで、⾝体性の発現における構成論的アプローチを展開する。

主要成果論⽂

Yukiko Iwasaki; Kozo Ando; Shuhei Iizuka; Michiteru Kitazaki; Hiroyasu Iwata. “Detachable Body: The Impact of Binocular Disparity and Vibrotactile Feedback in Co-Presence Tasks,” IEEE Robotics and Automation Letters, vol. 5, no. 2, pp. 3477-3484, DOI: https://doi.org/10.1109/LRA.2020.2977320.