Dynamic Shared Limbs

論⽂概要

遠隔地との共同作業や技術の伝達を効果的に行うことを狙いとして、一つの身体を複数名で共有し操作する共有身体の研究が進められている。本研究では、共有身体を操作する際に、操作者が共有条件のパラメータを動的に調整する手法を提案する。提案手法では、筋電センサによって取得されるEMG値を動的調整のための変数とする。この変数を用いて、共有身体に反映される個々人の運動の割合の調整を行う。
 
 

特筆すべき研究成果

二名の操作者の内、片方の操作者にしか見えないリーチングターゲットが存在する場合、動的調整による共有身体操作によって、身体所有感、行為主体感、およびタスクパフォーマンスが変化した。共有割合が固定の場合、共有身体を動かすために大きな動作が必要とされた。一方、共有割合を動的に調整した場合、筋活動を用いることで操作意図が即時的に反映され、共有身体に対する身体認知が向上したことが示唆された。
 

今後の展望・応⽤+社会実装の可能性

本提案手法のインターフェースでは、二名による共同身体操作を行なったが、これを二名以上が操作可能となるように拡張することで、さらなる作業効率の向上を目指す。また、共同作業者の人数とタスクパフォーマンスの関連性を調べることも今後の検討課題である。
 

主要成果論⽂

Ryo Takizawa, Takayoshi Hagiwara, Adrien Verhulst, Masaaki Fukuoka, Michiteru Kitazaki, Maki Sugimoto
Augmented Humans Conference (AHs ’21), pp. 10-18, 2021.2
DOI:https://doi.org/10.1145/3458709.3458932