複数の低フレームレートデバイスを⽤いた⾼⾓周波数測定

論⽂概要

低フレームレートの撮像デバイスのみを⽤いて,⾼速で回転する物体の⾓周波数を推定する技術開発を⽬的として,複数の撮像デバイスを⽤いた推定⼿法を提案する.提案⼿法を⽤いて推定した⾓周波数とタコメータを⽤いて測定した⾓周波数の誤差が測定時間全体で1Hz未満であり,提案した理論が許容する測定誤差範囲で⼀致することが確認された.

特筆すべき研究成果

複数の低いフレームレートを持つ撮像デバイスを⽤いた⾼⾓周波数推定の理論を提案し,その理論から推定可能な周波数の上限と,測定において許容される誤差の範囲にトレードオフの関係があることが⽰された.今後,実際の機材を⽤いてこのトレードオフの存在を確認することが必要であるが,本⼿法の適⽤可能性を探る上で重要な知⾒だといえる.

今後の展望・応⽤+社会実装の可能性

⼯場の機械部品や製造中のホイールなどの⾓周波数計測を⾏う産業応⽤が期待できる.同時に,⼈間の視覚で⾒られるWagon-Wheel 錯覚(⾼速回転する物体を視認する際に物体の回転⽅向や速度を誤認する現象)とも関連付けながら,視覚野においてWagon-Wheel 錯覚が起こる機序の探究や,⾼速回転する物体の運動を⼈間が正しく把握するための技術開発にも取り組んで⾏きたい.

主要成果論⽂

伊藤悠貴,久保⽥祐貴,檜⼭敦,稲⾒昌彦 第21 回計測⾃動制御学会システムインテグレーション部⾨講演会予稿集, 2020(TO APPEAR)