Interpersonal distance to a speaking avatar

論⽂概要

新型コロナ感染症の拡大によって、我々の対人距離に関する関心が高まっている。人は、環境音がうるさいときには自身の周りに多くの人が居ると感じ、親近感が高まる。そこで、バーチャル空間において、アバターが話す声が大きい、あるいは小さい時に対人距離が変化するかを調べた。被験者は、前方に居る対面したアバターに歩いて行き、背中にある文字を読み上げることが望まれた。アバターは課題とは関係なく、文章を読み上げた。音声は、声の大きさと明瞭さを操作して提示した。
 
 

特筆すべき研究成果

アバターの音声が大きいときには小さい時よりも、実験参加者はアバターに近づかなかった。つまり、対人距離は大きくなった。一方、音声の明瞭さは対人距離に効果はなかった。つまり、音声を聞き取るために小さい声のときに近づいたのではなく、音声の大きさそのものが重要であることが示唆された。
 

今後の展望・応⽤+社会実装の可能性

アバターの音声の大きさを操作することで対人距離を制御できることが示された。今後は、この効果がアバターの音声である必要があるのか、環境音でも操作可能なのか、どのような特性が対人距離の制御に最も有効なのかを検討していく。
 

主要成果論⽂

Takahashi, K., Inoue, Y., and Kitazaki, M.
Proceedings of IEEE VR 2022
10.1109/VRW55335.2022.00238