Behind The Game
論⽂概要
本研究では、遠隔地のユーザの機械操作に自然に支援をはたらかせることで、遠隔ユーザと現地のユーザがバランスの取れたスポーツゲームを実現できる「Behind The Game」を開発した。具体的には、エアホッケーをテストベッドとし、ユーザの運動を機械が予測し、状況に応じてロボットが自律的に行動することで、遅延を解消するなど遠隔でのパフォーマンス向上とプレーヤーの主観的な体験の維持を両立させるシステムを実装した。
特筆すべき研究成果
本研究では、状況に則した自然な機械支援を設計し、遠隔ユーザの主観的な体験を損なうことなく、タイムラグ等に由来する不利な状況を克服するシステムを実現した。この成果は、遠隔ユーザと現地のユーザとのインタラクションや共同作業だけでなく、人間と機械の協調動作の設計に関する新たな視点を提供するものである。本成果はJames Dyson Award 2021にて国内準優秀賞を受賞した。
今後の展望・応⽤+社会実装の可能性
提案システムは遠隔操作における遅延によるパフォーマンスの低下の保証に焦点をあてたものであったが、遠隔操作に限らず様々な作業環境への応用が期待される。特に、適切な動作予測設計や人間の知覚特性に基づくパラメータ調整を行うことで、ユーザの主観的な体験を損なうことなく、本来の能力を超えたパフォーマンスを発揮できる人間機械協調システムが実現可能であると考えられる。
主要成果論⽂
Azumi Maekawa, Hiroto Saito, Narin Okazaki, Shunichi Kasahara, and Masahiko Inami. "Behind The Game: Implicit Spatio-Temporal Intervention in Inter-personal Remote Physical Interactions on Playing Air Hockey" ACM SIGGRAPH 2021 Emerging Technologies.