Analysis and Observation of Behavioral Factors Contributing to Improvement of Embodiment to a Supernumerary Limb

論⽂概要

長期的に拡張肢の使用を続けると拡張肢が身体化し認知に影響を及ぼす可能性があると考えられているが、どのような行動が拡張肢への身体性誘発に寄与しているかは未解明である。本研究は拡張肢に身体性を誘発するための行動要素を明らかにするため、1)従来の身体性誘発で提案されている要素を体験できる環境の下でこれらの行動要素が拡張肢の身体性誘発に寄与する可能性を調査し、2)追加の行動が見られるかどうかを観測した。
 

特筆すべき研究成果

「鏡で自己身体を見る」「拡張肢をすばやく正確に動かす」「拡張肢に常に注意を払い続ける」という行動を観察可能な空間で40分過ごしたあと、拡張肢装着側の左手の使用頻度が装着前よりも有意に少なくなった。「セルフタッチを行う」「自分の手と拡張肢で物の受け渡しをする」「全身運動を行う」という行動も見られた。これらの行動により拡張肢に対する意識の変化が生じた可能性が示唆された。

今後の展望・応⽤+社会実装の可能性

本論の観察結果をもとに身体性誘発効果のより高いと予想される行動要素と注意分配および身体性への影響を検証し、拡張肢の実作業環境への導入時に策定すべきガイドライン使用方法、人体への影響)や拡張身体の設計要素のプライオリティについて検討していく。本実験環境はソーシャルVRプラットフォームであるVRChatで構築しており、一般ユーザを対象とした長期観察も視野に入れている。

主要成果論⽂

Nonoka Nishida, Yukiko Iwasaki, Theophilus Teo, Masaaki Fukuoka, Maki Sugimoto, Po-han Chen, Fumihiro Kato, Michiteru Kitazaki, and Hiroyasu Iwata
Proceedings of Augmented Humans 2022 (AHs 2022), 116–120, March, 2022.